2017年8月4日金曜日

インプラントしかありませんか、というセカンドオピニオンについて 

今日は午後から無料相談の方のコンサルテーション。

インプラントしか治療法はないと説明を受けて治療を進めているが、本当にそうなのかというご相談。

よくよく伺ってみると、確かに腑に落ちないお話もあり、かなり困惑されているようでした。

3本分のスペースしかないのに、インプラントを4本埋入するという左下奥歯の治療計画。

右下の治療計画は6番を抜歯してインプラント。何にも悪くない隣りの7番を削りブリッジにして、仮歯をセット。理解できないのは、その7番の対合歯がないこと。

対合がない7番を何故削る必要があるのか。その7番が痛くなってガマン出来なくて神経を取った。

何とか神経の処置を受けているが、痛みが取れないので何とかして欲しいという訴え。。さらに奥歯がなくて前で咬んでいるせいか、前歯が痛くて治療が必要。セラミックを外さないで治療ができるか。。

もうインプラントがどうという話ではなくなっています。

この方の難しいのは、痛みに敏感であること。抜歯、骨造成、神経の処置いずれも治りが良くない。痛みが持続している。

そして噛む力が非常に強い。オーバーデンチャー、入れ歯も可能だが、スペースが不足気味。治療後のトラブルとしては、インプラント周囲炎などがりあり、、とこんな感じで1時間程。

補綴専門医の診察はこんなスタイルです。とにかく最初の問診にじっくり時間をかけて、現状に至った原因の分析と治療可能かゴールを見立てます。それから資料採得と診査、診断。具体的な治療法のオプションを提案し同意を得て、やっと治療が始まります。

ここまでの準備、治療計画が決まった時点で、頭の中ではゴールをイメージ出来ていて、あとは患者さんにもしつこいくらいに毎回今何をしているか、これから何をするのか治療毎に説明します。

ご理解いただけますと幸いです。

診断がついて治療計画が決まれば、あとの治療は、一緒に働く一般歯科医のドクターや各科専門医と協力しながら進めていきます。ですから、簡単な治療や専門分野以外の治療は、私はしません。私にしか出来ないことに集中し、1人でも困っている方のお役に立ちたいと思っています。

したがいまして、実際富山でも3日か4日のみの治療ですが、代診ドクターの力も借りて滞りなく診療しております(アポイントが1か月待ちになってしまっていること以外は)。

もし私にしか治療して欲しくない、いつでもいてくれないと不安だという方はご遠慮させていただく場合もございますので、何卒ご了承ください。そのかわりというわけではありませんが、転院されても大丈夫なよう、初回無料相談の段階である程度詳しく説明はさせていただいております。

富山には20年ぶり歯科医院に来たという方が多いので、それほどでもないのですが、青山で働いて思うのは、治療、スキルより、診断、アタマの部分、客観的で筋の通った説明を歯科医に求めている方が本当に多い。

日本の歯科医には、もっと「知性」がもとめられている。

というのは、言い過ぎでしょうか。。

2017年8月2日水曜日

咬めないという主訴と人工歯排列

どうもよく咬めない、どこで咬んだらいいのか分からない

インプラントにしたけど、すぐ被せた歯が欠けてしまった

前歯と歯ぐきの間が黒ずんでいて、見た目が気になる

入れ歯が合わない、痛い

という主訴

だいたい噛み合わせの不都合が原因であることが多い。

実はこの光学オーラルスキャナー、咬合治療で抜群の真価を発揮します。

1枚目の写真は、上顎にインプラント6本の埋入を計画しています。上の歯は総入れ歯で、私が排列しました。

根の処置、細菌感染と再治療を繰り返し、結局全部抜歯して即時義歯。即時義歯は抜歯してから頻繁に調整が必要で、本当に手間がかかります。そして咬めるような即時義歯を作るのは難易度が高い。ただでさえ咬合が不安定な総義歯、さらに抜歯した部位の上に義歯をセットするわけですから、翌日にはたいてい痛い、入れ歯が落ちるということで不具合が出ます。で、そこからが補綴専門医の腕の見せどころ。

現在半年ほど、抜歯した部位の治癒待ち。


そろそろ半年経ったので、新たなに2つ目の治療用の入れ歯作成中です。


この排列は、代診のドクターが取り組んいます。2週間かけてじっくり取り組んだ人工歯排列。あと一歩といったところですが、概ね合格。ウチのクリニックでの勤務開始から半年ほどで排列は4つ目でしょうか。

昨年始めた頃に比べると、かなり上達が早い。これくらい出来るようになると、審美にしても発音にしても、細部についてディスカッション出来るようになります。

技術は、知る、分かる、出来るのステップで伸びていくと、セミナーでいつもレクチャーしていますが、頭を使って、見て真似て手を動かして、それを修正してまた考える。やはり補綴はチェアサイドでの知や技の継承がもっとも効率的ですね。


スキャナーに取り込んだデーターを、このあとデザインソフトに取り込んで、もうひと仕事加えます。

光学オーラルスキャナー、クラウンやインプラントのガイド作りで終わるのはもったいないですよ。仕事は増えますが、経験値が上がること間違いなしです。

新しい入れ歯を試適した時の、患者さんの嬉しそうな姿が印象的でした。即時義歯の期間を終え、オーラルリハビリテーション、いよいよ本番です。

2017年7月27日木曜日

CT分析ソフトとサージカルガイドを使用したインプラントオペ

最近は、毎週のようにインプラントオペのアポイントが入っています。オーラルスキャナー、3Dプリンターのおかげで、初診からオペまでの期間がとても短縮されました。詳しくは、こちらをご覧ください。

2017年7月22日土曜日

光学オーラルスキャナーで咬合診査


日本では、3Dプリンターから自院でサージカルガイドを作製出来るようになるのもまだ先の話ですが、将来的にオーラルスキャナーの用途はもっと幅広いものになるでしょう。今回はそれ以外の使い方について紹介します。




2017年7月20日木曜日

インプラント外科用ガイドと3Dプリンター

6月から3Dプリンターがフル稼働しています。

今まで型採りからガイド作成まで、一ヶ月以上かかっていた工程が、2日に短縮。信じられないくらい早いし、ガイドの精度も抜群です。

型採りはオーラルスキャナーを使用します。詳細はこちらのブログをご覧ください。

3Dプリンターでインプラントサージカルガイドを作製しています ブログ-米国補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界


2017年7月14日金曜日

最近神経の処置の相談、セカンドオピニオンの患者さんが増えています。

当院では、最近神経の処置の相談、セカンドオピニオンの患者さんが増えています。その治療の予後に、悪くなって来院される患者さんに遭遇する機会が増えてくると、残念な気持ちになります。

当院での神経の処置は、日本の大学の歯内療法専門医養成課程や卒後研修で、充分トレーニングを積んだ歯科医が治療を担当し、一定基準以上の根管治療を行っています。

そして難易度の高い、さらにシビアなケースは米国歯内療法専門医である松浦顯医師が治療を行いますので、これから神経の処置が必要な方も、すでに治療を受けていて治らない、痛みが取れない、次はインプラントしかないといわれているような方も何らかの治療方法をご提供できるのが強み。

いい歯医者の選び方、という魔法の方法は残念ながら存在しません。そこは患者さん自身が賢くなるしかないのです。できれば、治療を始める前に、専門医のセカンドオピニオンを一度受けてみることをオススメします。


理想的な歯科治療とは?


やや大げさなタイトルですが。

理想的な歯科治療とは。

よく誤解されがちですが。材料の良し悪しだけが、治療費を決めるわけではありません。

専門家の原因を見極める診断力、治療を実行する熟練の技、長期予後を保証する予知性に優れた治療計画。

こうした総合力が歯科医の実力の違い、と言えるでしょう。


2017年7月13日木曜日

インプラント維持によるオーバーデンチャーの臨床その1

午前中
インプラントオーバーデンチャーの印象
メタルボンドクラウンの形成と印象
インプラントオーバーデンチャー用のピックアップ印象
インプラント埋入予定患者さんのコンサルテーション

午後
メタルボンドクラウンの印象
顎機能計測器による顎運動の評価

今ココ

上顎フルマウスケースの仮歯セット


引き続き、頑張ります。

インプラント維持によるオーバーデンチャーの臨床 ブログ 米国補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界


2017年7月12日水曜日

インプラントのオペが怖いという方も、麻酔で眠っている間に終わるから安心です。

今日は、静脈内鎮静法による麻酔下でサイナスリフトのオペを行いました。

最近、眠っている間のインプラントオペを希望する方が多く、約半数の方が静脈内麻酔下でのオペとなっています。確かに、寝ている間にオペが終わるのは、気持ち的にも安心ですね。

インプラントのオペが怖いという方も、眠っている間に終われる麻酔をするから安心です



2017年7月10日月曜日

就職ガイダンスに参加して来ました。

昨日参加して来た臨床研修医を対象とした就職ガイダンスの様子について。

30名を超える研修医が参加し、会場は熱気に溢れていました。詳細はブログにて。

鉄はアツイうちに打て!臨床研修医向けの就職ガイダンスに参加してきました


2017年7月8日土曜日

オールセラミックスに関する記事をアップしました。

今後繰り返し、書いていこうと思いますが、金属アレルギーは体質によって生じるのであって、全員がメタルフリーにしないといけないというワケではありません。

セラミックも歯を多く削らないといけなかったりと、良い面ばかりではないのです。

オールセラミックスの種類のお話〜ブログ-補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界〜


2017年7月7日金曜日

何事も基本が大切です。


ブログを更新しました。

臼歯部の人工歯排列 ブログ 米国補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界


インプラント治療の前の段階でよく話です。

何事も基本が大切。
デジタル化が進めば進むほど、その言葉の意味を実感します。


2017年7月6日木曜日

患者さんからの質問。インプラントにしたら噛めるようになりますか?

インプラントと噛み合わせに関して、ブログをアップしました。

外科の手技は派手なので、目が行きがちですが、大がかりになればなるほど、噛み合わせが大切になります。

外科はインプラント外科手術の専門医が行い、被せものは、補綴専門医である私が担当します。

補綴専門医は、入れ歯、ブリッジ、インプラント補綴の専門家。被せ物、噛み合わせのスペシャリストです。

将来、インプラントのメインテナンスが自分で出来なくなっても、入れ歯に関しても専門ですから、どちらも対応可能であることが強みです。

噛み合わせが良くないと、インプラントにしても噛めるようにはなりません ブログ-米国
補綴専門医が語る一般歯科医の知らない世界


2017年7月5日水曜日

インプラントの技工作業

今日はインプラントの技工作業について書いてみました。
一つ一つの手技の精度が、完成した補綴物のクオリティーを左右します。

デジタル化がどれだけ進んでも、こうしたアナログ式の、コンベンショナルなテクニックは大切にしていきたいものです。

マグネットを使用したオーバーデンチャーの技工-補綴専門医が教える、一般歯科医の知らない世界



2017年7月4日火曜日

ちゃんとした入れ歯を使っていますか?

入れ歯、咬合器についてブログをアップしました。

被せもの、入れ歯作りに使う咬合器〜米国補綴専門医が教える、一般歯科医の知らない世界〜


入れ歯、インプラント、ブリッジ。数あるオプションの中から、患者さんのお口の中の状態に相応しいものを選択しましょう。

それができるのは、補綴専門医だけです。

2017年7月2日日曜日

インプラント治療の第一人者に話を聞いてきました。

先週末は福岡まで行って、インプラント治療、オールオン4の第一人者、Drマローの講演会に参加してきました。その内容についてブログを書きましたので、ご覧ください。

記事にも、書きましたが、Drマローのコンセプトはエビデンスにも裏打ちされていて、これからどんどん一般に普及されていくことでしょう。

例えば、もう現在では、10本近くインプラントを埋入することはないんですよね。

昔はこんな感じ。北陸でもつい最近までこういうオペを普通にしていたようです。今は少くなっているとは思いますが。












今はこんな感じで、























多くて6本、基本的には4本で十分。なぜなら、インプラントを多く入れれば入れるほど、骨吸収が生じる、メインテナンスの部位が増えて口腔衛生上、プラークコントロールが大変、本数が増えるとそれだけ経済的な負担になるというところが理由です。

そして力学的な負担を少数のインプラントで支えるために、長め、太めのインプラントを使用します。

ただし予知性が得られるプロトコール、治療手順が確立されたのは、この10年くらいのようですから、今後も長期的な予後が見込めるよう術式の改良、メインテナンスなど慎重に行っていく必要があります。

また一本のインプラントでも、オペや補綴のコンセプトは変わりません。決められたオペの手順、補綴、上部構造、かぶせ物の作成手順を適切にふむことが成功、長い予知性を得るには必要不可欠と言えるでしょう。

詳しくは下記のブログをご覧ください。

インプラントの第一人者にきく、オールオン4の本当のところ-ブログ 米国補綴専門医が教える、一般歯科医の知らない世界-


2017年7月1日土曜日

良い歯医者さんの選び方〜ブログ 補綴専門医が教える、一般歯科医の知らない世界〜

ブログをアップしました。
色々書いてみましたが、結局最後は歯科医院側を患者さんは、信頼して任せる以外ないわけです。

先週インプラントをすることになった患者さんに、コンサルテーションの最後に言われました。

「まわりの人に聞いたら、BS歯科さん評判良かったから決めました。」と。

富山で開業して1年半、BS歯科に来年されて、治療を希望される方は、高岡市の方はあまりいらっしゃいません。

一本の虫歯の治療というより、世界基準のインプラントや根管治療を受けたいという方々、富山県全域や石川県から、ホームページや人づてに紹介されて来院される方がほとんどです。

何十年ぶりに歯医者にかかろうと思うんだけど、せっかく治療を受けるならいい治療を、、という思いで、いろんな歯科医院のホームページを読まれて。その中からここならと選んで来てくださるのでしょう。

そうした期待や希望にお応えできるよう、しっかりと治療していきたいと思っています。

嬉しいと感じるとともに、身の引き締まる思いです。

良い歯医者さんの選び方〜米国補綴専門医が教える、一般歯科医の知らない世界〜


2017年6月30日金曜日

ブログ 米国補綴専門医が教える、一般歯科医の知らない世界〜上顎6本インプラント埋入のフルマウスケースについて

ブログをアップしました。
内容は、噛み合わせについて。顎の運動経路を正確に咬合器にトランスファーする方法について、詳しく書いて見ました。

これからどんどんデジタル化が進んで行くと思いますが、こうした先進医療が早く一般歯科医の間にも、早く広まっていくことを祈っています。


ブログ 米国補綴専門医が教える、一般歯科医の知らない世界〜上顎6本インプラント埋入のフルマウスケースについて



2017年6月17日土曜日

BS歯科富山で新しく導入した顎運動計測器について


現在、月曜〜木曜は富山、金曜〜日曜日は南青山で診療で行なっています。シフトを組んで休みを取らせていただいているので、来院の際は必ず事前にお問い合わせください。


TSデンタルクリニック青山のブログタイトル〜専門医が教える、一般歯科の知らない世界「顎運動計測器は、自由診療に必須のアイテム」



2017年6月2日金曜日

TSデンタルクリニック青山〜ホームページ開設のお知らせ

都内で開業するクリニックのホームページがようやく完成しました。開業場所は港区南青山、保険診療は扱わず自由診療専門の歯科医院となります。

ホームページはこちらです。

TS デンタルクリニック青山





今後とも、宜しくお願い致します。

2017年4月22日土曜日

SEED主催 補綴アドバンスコース開始

今日から補綴アドバンスコースが始まりました。

補綴アドバンスコースの対象は基本的に20代、30代、もしくは開業10年未満、ちょうどスタートアップコースに参加されている方々のボリュームゾーンを考えています。

●補綴アドバンスコースのゴール
1. 基礎力
アドバンスコースの特徴は、座学、レクチャーの時間の割合が少ないことです。各自のペースでこちらが指定するテキストをまとめることで、基礎知識を幅広く体系的に網羅します。大切な診査項目をもれなくカバーし、幅広い治療オプションを考え身に付け、一つ一つの治療手順を学びながら臨床能力を向上させていきます。

2. 応用力
アドバンスコースでは、一定レベルを担保するため、少人数(8名)のグループ学習をセミナー形式で行い、個別のメンタリングなど、受講生自身が深くよく考える機会を設けています。応用力をつけるためには、ケースプレゼンテーションやディスカッションを通じて自分自身で【考える】トレーニングが不可欠だからです。

3. 実践力
受講生に限らず、日本の歯科医師全体がデジタル化の流行りに敏感になっていることでしょう。アドバンスコースでは、最先端のデジタルデンティストリーを大幅に取り入れた、日本初の卒後セミナーと断言していいと思います。

しかしその前に、我々はあえて基本的な技工作業を重要視し、印象採得からCRマウンティング、人工歯排列などのアナログ的な手技を繰り返し行います。

デジタル機器はツールに過ぎず、使いこなすのはあくまで歯科医。基本的な技工作業を通じて、じっくりと自分自身と向き合い、思考を熟成させる時間が必要です。デジタル機器を使いこなすには、歯科医自身の頭の中で、治療の最終ゴールがイメージされていないといけません。そのためには、歯科医としての「感性」を磨くこと。それがデジタル化への第一歩です。

アドバンスコースでは、実際の診療見学と基本的な実習、技工作業を通じて「感性」を磨き、「出来る」ことにゴールを見据えます。


アメリカのGP向けの一年間の大学院をイメージして、プログラムを組みました。受講生の皆さんはこの一年、仲間やメンターと楽しく語らいながら、じっくりと自身の臨床に向き合っていきましょう。


2017年3月26日日曜日

第5回スタートアップコース開催

スタートアップコース5回目のテーマは、総義歯学。とその前に前回のテーマであった支台形成の復習からスタート。

スタートアップコースは、補綴学全般の基礎を全てカバーするプログラム構成となっていて、その内容は北米の専門医課程のそれと遜色ありません。つまり、スタートアップとは名ばかりで、非常に中身の濃いレクチャーとなっています。

しかも、午前中は松浦先生による、これまたハイレベルな歯内療法の講義が、これでもかというくらいエビデンスベースで展開されています。


受講生の方々は、朝から夕方までひっきりなしに続くセミナーで、終了時には疲れ切っていることでしょう。

しかし、補綴学全般を一年間という限られた期間で、システマティックに網羅するには、スピード感を持って詰め込んで行かねば終わりません。

補綴は初回から講義の半分を前回の復習、新しい内容残りの半分で進めています。ですから毎回出席されている方は、少しずつかもしれませんが、補綴臨床とはどういうものか、おぼろげながらに掴めてきたのではないでしょうか。

レクチャーでもお伝えしましたが、何よりも大切なのは、「継続」です。

日曜日1日なくなるのは辛い
体調がたまたまよくない
他の用事が入ってしまった
内容がイマイチわからない
受講料も毎回支払いだし、無駄にならないから今回はスキップするか

などなどやめる理由、中断する理由はいくらでも挙げられるでしょう。でも一年間続けると決めた方は是非続けてください。

エンドと補綴、全て理解できる、身につく、とまでは言いませんが、最も大切な、歯内療法、補綴の全体像、「何を学べば良いのか」に関しては、はっきりとわかってくるでしょう。

なんでもそうですが、トップレベルを目指すか否かに関わらず、実力をつけるためには、ひとつひとつ努力を積み重ねていくしかその先はありません。

次回は5月開催になります。
それまで、ぜひ復習を繰り返してください。

2017年1月31日火曜日

留学日記アーカイブ:日本とアメリカの歯科治療の違いとは何か

4年前、留学中に書き留めていた留学日記を再掲します。

2013年1月28日

日本とアメリカの歯科治療の違いとは何か

ちょっと大げさなタイトルですが、私見を少し。アメリカの歯科治療はご存知の通り大変高額だ。NYUではそれでもニューヨークの一般開業医に比較し2割程安い。国民皆保険がないのが前提なので、当然治療方法の決定は患者さんの予算を聞いた上で進めるのが前提となる。


基本料金は以下の通りだ。抜歯;$105 根の治療;$600~700 被せ物;$1,400 総入れ歯、部分入れ歯;$1,400 インプラント;$2,700 歯周外科;$400

一つ例をあげてみたい。患者さんは50代女性の方。右奥は下の臼歯しかなく、さらに挺出し上の歯槽堤に咬み込んでいて咬合高径は低下、前歯は切端咬合気味で上はチップしており上顎歯冠高径が2/3くらいしかない。左奥は下がなく上は重度ペリオで歯根が全部みえているくらい挺出していて動揺、炎症ありでホープレスの状態。


歯がダメになっていく度に治療せず放置しておかげで、結局咬み合わせも悪くなり、咀嚼障害が起こり今回意を決して来院したとのこと。他は特に問題もなく診断は済み(長くなるのでここでは省略)、治療方法の話になった。


この患者さんの場合、予算は$5,000ドルくらい。場合によっては$10,000くらいという話だったので、それに沿ってオプションを考えてみた。この予算だとインプラントや歯周外科の選択肢はなく入れ歯になる。あとはどこまで根の治療をして歯を残せるか、もしくは抜歯となるかは予算次第だ。


結局、残った歯をすべて抜歯(15本)して治療用の仮の入れ歯を3ヶ月入れてもらって、最後に完成義歯を入れるだけで$5,000に達してしまったので、そのオプションで治療することになった。


おそらく日本で保険治療をするなら、少なくても右下奥歯、左下犬歯の根の治療、前歯の被せものを作り、上下とも部分床義歯になっているだろう。費用は数万円(の1割から3割)が患者さんの窓口負担(たぶん2、3万円)。アメリカでこのような「出来るだけ歯を残す」オプションを選択した場合、$10,000はかかる。

ちなみに、この患者さんはまだ$5,000払えるから治療出来るが、実際のところ補綴科にコンサルに回ってくる患者さんで実際の治療に至るのは、全体の20%くらいだと思う。つまり、割安な大学病院でさえ治療を受けられない患者さんがそれだけいる、ということ。これがアメリカ歯科医療の現実だ。


ところで、他のレジデントが自分の後に、下顎全体がペリオで歯槽骨支持は30%くらいしかないケースを、ファカルティに相談していた。


彼は全部抜歯して、インプラント支台のオーバーデンチャーと提案していたがファカルティから、「こういう状況になるに至った原因をまずは考えなさい。その後で一つ一つの歯をきちんと診断して、さらにインプラントだけではなく、すべての治療オプションを提示するように。そのトレーニングのためにここで学んでいるんだから。」とアドバイスを受けていた。


アメリカの歯科医療→残せそうな歯もすぐに歯を抜く、日本の歯科医療→どんな歯も出来るだけ残すというイメージがあるかもしれないが、歯科の治療に日米の違いはない、と思っている。

つまり、適切な診査と診断、治療オプションの提示、診断を下すための知識と経験、そして実際の手技。治療のために考えなければいけないことに、日本もアメリカも変わりはないないということだ。


もし違いがあるとすれば、患者さんの希望(経済状況や嗜好)、社会保険のシステムの制約、術者の技量によって治療のオプションが異なるだけ、ということになるのではないだろうか。


後記  2017.1.31
アメリカの臨床教育システムは、日本に比較して良くも悪くも大雑把。最低限のルールは決められていますが、現場の指導医、歯学部生に与えれている裁量は非常に大きいのが特徴です。ベースとして、歯科治療への患者さんの理解、尊敬があるからでしょうか。日本で、歯学部生が、ライセンスを持たない歯学部生が大学病院で治療を行うとなったら、患者さんはどういう反応を示すでしょう。

自分がその患者の立場になったら、、と想像してみてください。

日本でも、アメリカのようなハイレベル、世界標準と呼ばれる歯科治療を実現するには、そうした患者サイドの理解、協力も必要不可欠であると言えるかもしれません。


2017年1月30日月曜日

SEED主催 第一期スタートアップコース③と学生実習

Mentoring for TDC Beach lab class after Private seminar for young dentists with Dr Matsuura.
昨日は第3回目のスタートアップコースでした。

エンドは根管洗浄、補綴は前回までの続きとして、診査診断、審美、今回はジルコニアをはじめとしたオールセラミック全般について。




















無味乾燥な材料学への理解も、考える歯科治療を実践するには不可欠です。材料屋さんがすすめるから、と盲目的に受け入れるのではなく、基本的な知識と理論を知ることから始めましょう。












次回以降も今までの復習から入ります。実際のケースなども交えながら、多角的な視点を得られるよう大切なポイントは何度も繰り返し、少しずつ積み重ねていけるようにするつもりです。来年3月まであと7回。まずは続けることを目標に頑張りましょう。












写真はセミナーを開催している会議室からの景色。東京タワーが光り輝いていました。

スタートアップコースには日本で臨床家としてこれは分かっておいた方がいいという内容がぎっしり詰まっています。マクロな意味でフレームワークを頭の中に作れるよう、同時にミクロな話も散りばめているので、分量が多くて大変かと思います。さらにそれを暗記、出来るようになるまでやるとなると月イチでもクタクタになってるのではないでしょうか。

出来るようになるためには、正しい努力をひたすら継続すること、それ以外に方法はありません。とにかくセミナー後の一ヶ月は、次回までレクチャーの内容の復習、理解に努めてください。歯科臨床の全体像が見えてくること、自信がついてくること、臨床が楽しくなってくること、この三つは受講生の皆さんにお約束したいと思います。
そして今日は大学で三年生の保存科基礎実習のお手伝いに。隣の指導医がちょうど私が歯学部三年生の時に慶應の歯科医三田会で知り合った先生で、驚くとともに感慨深かったです。16年の時を経て、まさか同じ立場で学生指導するようになると思いませんでした。ラクロスのコーチに明け暮れていたあの時の自分なら今日の保存実習の実技試験は間違いなく受かってないかもしれません。。ただ同時に自分でもある程度までやれるんだから、誰にだって出来るようになるよな、とも感じました。

学生さんはこれから総義歯、部分床義歯、歯内療法、矯正、歯周病学などすべての臨床科目の基礎実習をこなしていきます。日米で歯学部生が修了しなければならない実習内容はほぼ同じです。

大きな違いは、実際の患者さんの治療を行う臨床実習が日本に存在しないこと。患者さんへの治療は歯科医師国家試験をパスした後から。実質歯科医師として診療出来るようになるまで歯学部入学から7年かかります。そして日本には、相対評価で行われる歯科医師国家試験があり、上位70%の受験生しか合格しないという現実。

学生さんはこれから総義歯、部分床義歯、歯内療法、矯正、歯周病学などすべての臨床科目の基礎実習をこなしていきます。日米で歯学部生が修了しなければならない実習内容はほぼ同じです。

日本の歯科医学教育には、歯科医師となるのに必要な厳しさが欠けており、不必要な厳しさが歯学部生を苦しめている、という気がしてなりませんでした。。

2017年1月10日火曜日

新年、明けましておめでとうございます。

Happy new year, all the best for all in 2017!!

 明けましておめでとうございます。今年は富山湾に浮かぶ立山連峰を眺めながら、新年のスタートです。



















昨年は帰国早々、4日から開業届提出に行ったり、クリニックの引き継ぎで息つくヒマもありませんでしたが、トータルではやりたいことをやれた一年でした。今年もよい年にしたいと思っています。

それはそうと、ガソリンスタンドで30年ぶりくらいに読んだマンガが面白くて、涙腺が緩みっ放しでした。




















谷口キャプテン、アツい!、でも常に冷静で、ロジカルで、工夫に工夫を重ねて絶対に結果を出す。マンガだからだろ?と突っ込まれればそれまでですが、谷口キャプテンの情熱、リーダーシップに思わず引き込まれてしまい、、こんなわかりやすくて読みやすくて面白いマンガがあったら、そりゃ夏目漱石やら芥川龍之介なんて、文字ばかりでつまらな過ぎて読む気にならないよな。。とマンガに取り憑かれて自分の幼少期を振り返り妙に納得。


かといって、働き始めてからはマンガ、ゲームなど一切やらずテレビもバラエティはほとんどみないで、本ばかり読んでますからね。


仕事の楽しさが遊び、娯楽のそれを上回ってるからなのか、昨日は顎運動計測器の比較とジルコニアの磨耗性に関する論文をじっくり読み直してました。面白くてためになりそうなネタは、どんどんブログでシェアしていきたいと思います。


本年もよろしくお願い致します。