2017年4月22日土曜日

SEED主催 補綴アドバンスコース開始

今日から補綴アドバンスコースが始まりました。

補綴アドバンスコースの対象は基本的に20代、30代、もしくは開業10年未満、ちょうどスタートアップコースに参加されている方々のボリュームゾーンを考えています。

40代以上、その他経験豊富な先生に向けては、回数を3回程度に絞り、さらに高度な内容にしたブラッシュアップコースを開催するかもしれません。

お金もないし、時間もないし、ギリギリなんとかやってる。でも今の環境を変えたい、何かのきっかけが欲しい。。とは言いつつ、付いていける自信は全くない。。どちらかというと、そういう方向けのコースです。現状にいろんな意味で行き詰っている、留学前のフラフラ彷徨い続けていた私は松浦先生のような先生にふさわしい。

●補綴アドバンスコースのゴール
1. 基礎力
アドバンスコースの特徴は、座学、レクチャーの時間の割合が少ないことです。各自のペースでこちらが指定するテキストをまとめることで、基礎知識を幅広く体系的に網羅します。大切な診査項目をもれなくカバーし、幅広い治療オプションを考え身に付け、一つ一つの治療手順を学びながら臨床能力を向上させていきます。

2. 応用力
アドバンスコースでは、一定レベルを担保するため、少人数(8名)のグループ学習をセミナー形式で行い、個別のメンタリングなど、受講生自身が深くよく考える機会を設けています。応用力をつけるためには、ケースプレゼンテーションやディスカッションを通じて自分自身で【考える】トレーニングが不可欠だからです。

3. 実践力
受講生に限らず、日本の歯科医師全体がデジタル化の流行りに敏感になっていることでしょう。アドバンスコースでは、最先端のデジタルデンティストリーを大幅に取り入れた、日本初の卒後セミナーと断言していいと思います。

しかしその前に、我々はあえて基本的な技工作業を重要視し、印象採得からCRマウンティング、人工歯排列などのアナログ的な手技を繰り返し行います。

デジタル機器はツールに過ぎず、使いこなすのはあくまで歯科医。基本的な技工作業を通じて、じっくりと自分自身と向き合い、思考を熟成させる時間が必要です。デジタル機器を使いこなすには、歯科医自身の頭の中で、治療の最終ゴールがイメージされていないといけません。そのためには、歯科医としての「感性」を磨くこと。それがデジタル化への第一歩です。

アドバンスコースでは、実際の診療見学と基本的な実習、技工作業を通じて「感性」を磨き、「出来る」ことにゴールを見据えます。


アメリカのGP向けの一年間の大学院をイメージして、プログラムを組みました。受講生の皆さんはこの一年、仲間やメンターと楽しく語らいながら、じっくりと自身の臨床に向き合っていきましょう。


2017年3月26日日曜日

第5回スタートアップコース開催

スタートアップコース5回目のテーマは、総義歯学。とその前に前回のテーマであった支台形成の復習からスタート。

スタートアップコースは、補綴学全般の基礎を全てカバーするプログラム構成となっていて、その内容は北米の専門医課程のそれと遜色ありません。つまり、スタートアップとは名ばかりで、非常に中身の濃いレクチャーとなっています。

しかも、午前中は松浦先生による、これまたハイレベルな歯内療法の講義が、これでもかというくらいエビデンスベースで展開されています。


受講生の方々は、朝から夕方までひっきりなしに続くセミナーで、終了時には疲れ切っていることでしょう。

しかし、補綴学全般を一年間という限られた期間で、システマティックに網羅するには、スピード感を持って詰め込んで行かねば終わりません。

補綴は初回から講義の半分を前回の復習、新しい内容残りの半分で進めています。ですから毎回出席されている方は、少しずつかもしれませんが、補綴臨床とはどういうものか、おぼろげながらに掴めてきたのではないでしょうか。

レクチャーでもお伝えしましたが、何よりも大切なのは、「継続」です。

日曜日1日なくなるのは辛い
体調がたまたまよくない
他の用事が入ってしまった
内容がイマイチわからない
受講料も毎回支払いだし、無駄にならないから今回はスキップするか

などなどやめる理由、中断する理由はいくらでも挙げられるでしょう。でも一年間続けると決めた方は是非続けてください。

エンドと補綴、全て理解できる、身につく、とまでは言いませんが、最も大切な、歯内療法、補綴の全体像、「何を学べば良いのか」に関しては、はっきりとわかってくるでしょう。

なんでもそうですが、トップレベルを目指すか否かに関わらず、実力をつけるためには、ひとつひとつ努力を積み重ねていくしかその先はありません。

次回は5月開催になります。
それまで、ぜひ復習を繰り返してください。

2017年1月31日火曜日

留学日記アーカイブ:日本とアメリカの歯科治療の違いとは何か

4年前、留学中に書き留めていた留学日記を再掲します。

2013年1月28日

日本とアメリカの歯科治療の違いとは何か

ちょっと大げさなタイトルですが、私見を少し。アメリカの歯科治療はご存知の通り大変高額だ。NYUではそれでもニューヨークの一般開業医に比較し2割程安い。国民皆保険がないのが前提なので、当然治療方法の決定は患者さんの予算を聞いた上で進めるのが前提となる。


基本料金は以下の通りだ。抜歯;$105 根の治療;$600~700 被せ物;$1,400 総入れ歯、部分入れ歯;$1,400 インプラント;$2,700 歯周外科;$400

一つ例をあげてみたい。患者さんは50代女性の方。右奥は下の臼歯しかなく、さらに挺出し上の歯槽堤に咬み込んでいて咬合高径は低下、前歯は切端咬合気味で上はチップしており上顎歯冠高径が2/3くらいしかない。左奥は下がなく上は重度ペリオで歯根が全部みえているくらい挺出していて動揺、炎症ありでホープレスの状態。


歯がダメになっていく度に治療せず放置しておかげで、結局咬み合わせも悪くなり、咀嚼障害が起こり今回意を決して来院したとのこと。他は特に問題もなく診断は済み(長くなるのでここでは省略)、治療方法の話になった。


この患者さんの場合、予算は$5,000ドルくらい。場合によっては$10,000くらいという話だったので、それに沿ってオプションを考えてみた。この予算だとインプラントや歯周外科の選択肢はなく入れ歯になる。あとはどこまで根の治療をして歯を残せるか、もしくは抜歯となるかは予算次第だ。


結局、残った歯をすべて抜歯(15本)して治療用の仮の入れ歯を3ヶ月入れてもらって、最後に完成義歯を入れるだけで$5,000に達してしまったので、そのオプションで治療することになった。


おそらく日本で保険治療をするなら、少なくても右下奥歯、左下犬歯の根の治療、前歯の被せものを作り、上下とも部分床義歯になっているだろう。費用は数万円(の1割から3割)が患者さんの窓口負担(たぶん2、3万円)。アメリカでこのような「出来るだけ歯を残す」オプションを選択した場合、$10,000はかかる。

ちなみに、この患者さんはまだ$5,000払えるから治療出来るが、実際のところ補綴科にコンサルに回ってくる患者さんで実際の治療に至るのは、全体の20%くらいだと思う。つまり、割安な大学病院でさえ治療を受けられない患者さんがそれだけいる、ということ。これがアメリカ歯科医療の現実だ。


ところで、他のレジデントが自分の後に、下顎全体がペリオで歯槽骨支持は30%くらいしかないケースを、ファカルティに相談していた。


彼は全部抜歯して、インプラント支台のオーバーデンチャーと提案していたがファカルティから、「こういう状況になるに至った原因をまずは考えなさい。その後で一つ一つの歯をきちんと診断して、さらにインプラントだけではなく、すべての治療オプションを提示するように。そのトレーニングのためにここで学んでいるんだから。」とアドバイスを受けていた。


アメリカの歯科医療→残せそうな歯もすぐに歯を抜く、日本の歯科医療→どんな歯も出来るだけ残すというイメージがあるかもしれないが、歯科の治療に日米の違いはない、と思っている。

つまり、適切な診査と診断、治療オプションの提示、診断を下すための知識と経験、そして実際の手技。治療のために考えなければいけないことに、日本もアメリカも変わりはないないということだ。


もし違いがあるとすれば、患者さんの希望(経済状況や嗜好)、社会保険のシステムの制約、術者の技量によって治療のオプションが異なるだけ、ということになるのではないだろうか。


後記  2017.1.31
アメリカの臨床教育システムは、日本に比較して良くも悪くも大雑把。最低限のルールは決められていますが、現場の指導医、歯学部生に与えれている裁量は非常に大きいのが特徴です。ベースとして、歯科治療への患者さんの理解、尊敬があるからでしょうか。日本で、歯学部生が、ライセンスを持たない歯学部生が大学病院で治療を行うとなったら、患者さんはどういう反応を示すでしょう。

自分がその患者の立場になったら、、と想像してみてください。

日本でも、アメリカのようなハイレベル、世界標準と呼ばれる歯科治療を実現するには、そうした患者サイドの理解、協力も必要不可欠であると言えるかもしれません。


2017年1月30日月曜日

SEED主催 第一期スタートアップコース③と学生実習

Mentoring for TDC Beach lab class after Private seminar for young dentists with Dr Matsuura.
昨日は第3回目のスタートアップコースでした。

エンドは根管洗浄、補綴は前回までの続きとして、診査診断、審美、今回はジルコニアをはじめとしたオールセラミック全般について。




















無味乾燥な材料学への理解も、考える歯科治療を実践するには不可欠です。材料屋さんがすすめるから、と盲目的に受け入れるのではなく、基本的な知識と理論を知ることから始めましょう。












次回以降も今までの復習から入ります。実際のケースなども交えながら、多角的な視点を得られるよう大切なポイントは何度も繰り返し、少しずつ積み重ねていけるようにするつもりです。来年3月まであと7回。まずは続けることを目標に頑張りましょう。












写真はセミナーを開催している会議室からの景色。東京タワーが光り輝いていました。

スタートアップコースには日本で臨床家としてこれは分かっておいた方がいいという内容がぎっしり詰まっています。マクロな意味でフレームワークを頭の中に作れるよう、同時にミクロな話も散りばめているので、分量が多くて大変かと思います。さらにそれを暗記、出来るようになるまでやるとなると月イチでもクタクタになってるのではないでしょうか。

出来るようになるためには、正しい努力をひたすら継続すること、それ以外に方法はありません。とにかくセミナー後の一ヶ月は、次回までレクチャーの内容の復習、理解に努めてください。歯科臨床の全体像が見えてくること、自信がついてくること、臨床が楽しくなってくること、この三つは受講生の皆さんにお約束したいと思います。
そして今日は大学で三年生の保存科基礎実習のお手伝いに。隣の指導医がちょうど私が歯学部三年生の時に慶應の歯科医三田会で知り合った先生で、驚くとともに感慨深かったです。16年の時を経て、まさか同じ立場で学生指導するようになると思いませんでした。ラクロスのコーチに明け暮れていたあの時の自分なら今日の保存実習の実技試験は間違いなく受かってないかもしれません。。ただ同時に自分でもある程度までやれるんだから、誰にだって出来るようになるよな、とも感じました。

学生さんはこれから総義歯、部分床義歯、歯内療法、矯正、歯周病学などすべての臨床科目の基礎実習をこなしていきます。日米で歯学部生が修了しなければならない実習内容はほぼ同じです。

大きな違いは、実際の患者さんの治療を行う臨床実習が日本に存在しないこと。患者さんへの治療は歯科医師国家試験をパスした後から。実質歯科医師として診療出来るようになるまで歯学部入学から7年かかります。そして日本には、相対評価で行われる歯科医師国家試験があり、上位70%の受験生しか合格しないという現実。

学生さんはこれから総義歯、部分床義歯、歯内療法、矯正、歯周病学などすべての臨床科目の基礎実習をこなしていきます。日米で歯学部生が修了しなければならない実習内容はほぼ同じです。

日本の歯科医学教育には、歯科医師となるのに必要な厳しさが欠けており、不必要な厳しさが歯学部生を苦しめている、という気がしてなりませんでした。。

2017年1月10日火曜日

新年、明けましておめでとうございます。

Happy new year, all the best for all in 2017!!

 明けましておめでとうございます。今年は富山湾に浮かぶ立山連峰を眺めながら、新年のスタートです。



















昨年は帰国早々、4日から開業届提出に行ったり、クリニックの引き継ぎで息つくヒマもありませんでしたが、トータルではやりたいことをやれた一年でした。今年もよい年にしたいと思っています。

それはそうと、ガソリンスタンドで30年ぶりくらいに読んだマンガが面白くて、涙腺が緩みっ放しでした。




















谷口キャプテン、アツい!、でも常に冷静で、ロジカルで、工夫に工夫を重ねて絶対に結果を出す。マンガだからだろ?と突っ込まれればそれまでですが、谷口キャプテンの情熱、リーダーシップに思わず引き込まれてしまい、、こんなわかりやすくて読みやすくて面白いマンガがあったら、そりゃ夏目漱石やら芥川龍之介なんて、文字ばかりでつまらな過ぎて読む気にならないよな。。とマンガに取り憑かれて自分の幼少期を振り返り妙に納得。


かといって、働き始めてからはマンガ、ゲームなど一切やらずテレビもバラエティはほとんどみないで、本ばかり読んでますからね。


仕事の楽しさが遊び、娯楽のそれを上回ってるからなのか、昨日は顎運動計測器の比較とジルコニアの磨耗性に関する論文をじっくり読み直してました。面白くてためになりそうなネタは、どんどんブログでシェアしていきたいと思います。


本年もよろしくお願い致します。

2016年12月6日火曜日

SEED主催 第2回 スタートアップ(年末)セミナー:開催のお知らせ 2016年12月29日(木)第一期コース

来る12月29日(木)、毎年恒例となっている年末セミナーを開催致します。今年はスタディグループSEEDを立ち上げましたので、スタートアップコースの第2回目としての開催となります。

松浦先生の講演内容は、こちらをご覧下さい。
Dr松浦のブログより〜第2回スタートアップセミナー開催のお知らせ〜

早いもので、慶應の同期と半場思いつき、勢いのまま企画した留学経験者向けキャリアアップセミナー(年末セミナー)開催から2年が経ちました。

2年前のブログの記事はこちら。
Career development program、無事終了

当時は松浦先生と私の紆余曲折過ぎる留学前のキャリアを聴いて刺激を受けた方、とても真似出来ないと感じた方、自分も留学してみたいと思った方等様々いらしたことでしょう。

あの時の受講生が、2年経った今、私のクリニックの勤務医として勤務していたり、今回のスタートアップコースを受講していたり、実際留学を実現していたりと、私自身の人生も多大な刺激、影響を受け、大きく変わったと断言できます。

あの時、思い切ってゼロから一歩を踏み出していなかったら、今こうしてスタディグループを帰国後のこの期間で立ち上げたり、実際スタートアップコースにこれだけの受講生を集めることは出来なかったと思います(受講予定者は38名:2016年12月5日現在)。

我々が主催するスタートアップセミナーでは、皆さんも留学しましょう!などと煽るようなことを言うつもりはありません。学会での講演とは違い、聴衆を惹き付けるような根尖までピタリと根充された根管治療や、大掛かりな補綴のチャンピオンケースの提示もないですし、TEDのような派手なプレゼンテーションもありません。歯内療法、補綴の区別なく、ただそこにはとても地味ですが、臨床家として必ず知っておかなければならない大事な基本知識や、エビデンスを示す膨大な量の論文の紹介、我々が留学の現場で培ってきた「経験」がつまっています。

このSEEDはビジネスとして大規模に展開している組織ではありませんので、事務局があるわけではなく、私と松浦先生が個人で運営しています。至れり尽くせりの対応や豪華なランチ、ピカピカのセミナールームもありません。しかし、セミナーでなされるレクチャーは、自らごく普通の開業医として、日本で臨床の現場にどっぷりと浸かりながら感じていた疑問や悩みがベースとなっており、そんな我々ならではの、実体験がいかされた講演内容であると自負しています。そこには偽りも妥協もありません。

今回の私の講演テーマは、「補綴専門医が大切にしている審美歯科治療のコンセプト」。留学前日本で開業医として数多くのセミナーや勉強会に参加しながら臨床経験を重ね、そこに米国流、補綴専門医としての専門的なトレーニングを受けた私が、自分なりに考えた日本の「審美歯科」に欠けていると感じた視点とは何か、当日はその一点に絞ってお話したいと思っています。

本コースは毎月毎にテーマを設定して開催しているので、単発での参加が可能です。年末のお忙しい最中ではあると思いますが、ふるってご参加ください。











2016年10月16日日曜日

米国歯内療法専門医とは?~Dr松浦のブログより~

多くの患者さんからご質問を頂きましたので、今回Dr.松浦によるブログを紹介させていただきます。

Dr.松浦は、アメリカ・ロサンゼルスにある伝統校・南カリフォルニア大学歯内療法大学院の専門医養成プログラムを修了し、現在福岡県にて歯内療法専門のプライベートオフィスを開院されています。

南カリフォルニア大学歯内療法大学の紹介はこちらです。
日米の専門医教育の違いが分かりやすく説明されています。
What is USC Endodontics?

BS歯科富山では、再度神経の治療が必要になった患者さんの根管治療と、
(こちらは英語版です)
米国歯内療法専門医による再根管治療

さらに普通の根管治療では難しい歯内療法の外科的療法をお願いしています。
歯内療法外科的療法

私がなぜ、福岡からわざわざ複雑な歯内療法の治療を依頼しているのか、このブログを読めばご理解いただけるかと思います。

プログラム修了のために終わらせなければならないケースの数、読まなければならない論文の量、厳しいファカルティの下、専門医課程のレジデントは在学期間中の、生活ほぼすべてをトレーニングに費やし、徹底的に鍛えられます。
米国歯内療法専門医=Endodontistとは?~

Dr松浦はこのように、米国の正規の専門医プログラム、歯内療法大学院を修了された正真正銘の専門医です。一般歯科医が見よう見まねでマイクロスコープを扱うのではなく、当然米国歯内療法科で採用しているコンセプトに基づき治療を行いますので、治療も自費診療のみとなります。

BS歯科富山では、次はインプラントだろうと診断されるような患者さんにも、まずは歯の保存する歯内療法をおすすめしています。

それは歯内療法がインプラントより安価で、なおかつ歯を存できる治療方法だからです。インプラントをする前に、セカンドオピニオンを聞きたいという方が最近増えています。興味がある方はBS歯科富山までご連絡下さい。



米国補綴専門医
BS歯科富山 
院長 白 賢

2016年9月17日土曜日

SEED主催 スタートアップセミナー開催のお知らせ 2016年11月27日(日)

明日の歯科医療界のリーダーを育成する。​

補綴、歯周病、歯内療法、インプラント学等各専門科など専門に特化するのではなく、「スーパーGP」とでも名付けるような総合的な臨床スキルを持つ、未来の歯科界のリーダーを育成する。それが米国大学院を修了した専門家集団によって設立された「SEED」の存在意義、すなわちビジョンです。

このスタートアップセミナーは、総合的な年間プログラムに参加する時間も、まだ付いていける自信も今はないけど、少しずつでも勉強していきたい、自ら考える力をつけ、最終的には高いレベルで、総合的な臨床能力を身につけたいというドクターが対象です。

コースでは、補綴をベースとした診査診断の考え方や歯内療法等へのアプローチの仕方、また複雑な補綴治療の手順等について、実際のケースを交えながら分かりやすくレクチャーします。

歯内療法は南カリフォルニア大学歯内療法科大学院を修了された米国歯内療法専門医の松浦顯先生が担当します。松浦先生のブログはこちらです。
まつうら歯科医院・歯内療法専門室

このスタートアップセミナーが、まだ臨床経験の浅いドクターにとって、歯科臨床に興味を持ち、その奥深さや魅力を知るきっかけになったなら、これほど嬉しいことはありません。

SEED 主宰
米国補綴専門医
白  賢







2016年5月30日月曜日

歯科医学とは、科学であり、芸術である。


昨年オープンしたガラス美術館へ行ってきました。内部は図書館併設、隈研吾氏は立山連峰にインスパイアされたそうですが、私はこの美術館に完全にインスパイアされました。六本木ヒルズのスターバックスが、、、あそこも好きな場所ですが、ガラス美術館はスケールが圧倒的でした。








そして作り込まれたガラスで出来た美術品の数々。


Dentistry、歯科医学はサイエンスであり、芸術(技術)である。とよく言われます。

日本ではカスタムメイド、オーダーメイドをウリにしている歯科医院は数多いですが、実のところ入れ歯や被せ物を仮歯や排列の段階から作り込んでいる歯科医が、いったいどれだけいるでしょうか。

アメリカの補綴専門医は、補綴科大学院、レジデントの時に、こうしたトレーニングを徹底的に受けます。

このような歯科医としての醍醐味を味わえる人工歯の排列やワックスアップ、仮歯の作成や調整、そのプロセスにこそ、歯科医の能力、腕が問われるべきではないでしょうか。

ワックスの上にこうして人工歯を排列し、


重合して完成させたものがこちら。


ただそこが一般歯科医と補綴専門医との違いと言えるのかもしれません。日本では残念ながら歯科技工士にすべてお任せ、というのが現状でしょう。

補綴専門医は誰もが自分の好みの歯の形や排列デザインをもっているものです。


当然、患者さんの顔貌や口唇とのバランスを考慮しながら行います。手作業で一本一本人工歯を並べたり、素焼きのポーセレンを削り込んだり、盛り足ししながら仕上げていきます。



ですから、完成してセットしたら、「まるで自分の歯のようだ!」とよく患者さんに驚かれます。


これは前歯の審美が気になるという男性の方。


前歯の仮歯を修正しながら、患者さんが納得するまで、理想的な形に作り込んでいきます。


その後、オールセラミックスを素焼きの段階で、もう一度形態修正し、じっくり調整して仕上げました。




こうして一人一人の患者さんに最もふさわしい形、色、大きさなどに合わせて煮詰めていきます。
この方は、レジデント一年目の時に治療したケースです。


上顎は総義歯、下顎は前歯はクラウンで、奥歯は部分床義歯です。抜歯したその日に上下の入れ歯をセットしました。こういったかみ合せの高さを変更するような難しいケースの場合、米国では一般歯科医は治療せず、紹介状を書いて補綴専門医に送ります。


もちろんピッタリする、のは、たまたまということはありません。そこにはエビデンスに基づいた理論、基礎というものが存在します。


あくまで私見ですが、留学帰りの先生方がどちらかというと、エビデンスや論文を強調し過ぎな気もしています。補綴に限るのかもしれませんが、このような理論のベースが共有されている補綴専門医レベルでは、感覚的な話になることも多いです。

結局、最後は「感性」なんですよね。エビデンスは「見るべきもの」、それには基準があります。ただし「見えてくるもの」は違ってくる。それが感性であり、そこをどう鍛えるか。

エビデンス云々も土台、基礎、ベースとして大事ですが、今後主催する講習会では、こういうエビデンスを超えたトピックでディスカッションしてみたいものです。

2016年5月11日水曜日

アメリカ視察旅行 その2ニューヨーク

New York, New York!!!!
ニューヨークに到着。1日がかりのフライトで着いた時はぐったりでしたが、朝からベーグルをかじって、まずはコロンビア大学補綴科を訪問。




久しぶりに戻ってきました人種のるつぼ、ニューヨーク。感慨深いとか懐かしい気持ちは全くなく、、この街の空気を吸うと、闘争本能にスイッチが自然と入りますね。相変わらず、忙しない街です。





そして午後からNYU歯科病院。補綴科クリニックで皆に再会したら、約半年ぶりでしたが、友人、スタッフ、ファカルティらが温かく迎えてくれました。

顔色がいいね!
人間としての尊厳を取り戻したな!
日本でうまくいっているようで、誇らしいよ!
。。。

一体、どれだけ悲壮感漂わせていたのでしょうか、、笑

確かに、毎日死に物狂いで、ガムシャラにやっていました。ニューヨーク大学全体の卒業式はヤンキースタジアムで行われたのですが、まだ卒業もしていないし、卒業試験も終っていない状況だったので、卒業式だからと言って、感動することもなく、、感慨にふけることもなく、、

卒業式が終って、大学に戻って、すぐ診療してたっけ。。




海外に母校、帰る場所があるというのはいいものですね。


今後は12月にまた学会で戻ってくる予定です。クリスマスシーズンのニューヨーク。今年はゆっくり楽しめそうです。









2016年5月9日月曜日

アメリカ視察旅行 その1ロサンゼルス

ポストゴールデンウィーク。空港も飛行機も一週間違うだけで空いてます。
昨日から1週間、ロス、ニューヨーク、プエルトリコと回っています。

まずロスでは、ニューヨーク大学歯周科のレジデントだったフランクと再会して、その足でサンタモニカのビーチへ。




そのあとはニューヨークで定番だったコリアン焼き肉。日本の霜降りとは違いますが、肉厚で巨大な肉塊、大味な味付け、テキトーなサーブがアメリカであることを感じさせてくれます。


次の日は、南カリフォルニア大学歯周科でファカルティとして働いている友人と日本食を食しに。まだ30代半ばだというのに、研究費を獲得することで、ファカルティポジションを自らの力で勝ち取り、学会での招待講演も活発に行っているそうです。

南カリフォルニア大学歯学部は、日本人向けの卒後教育を積極的に行っている(ようはビジネスとして儲けている)ので、「南カリフォルニア大学歯学部研究員」という看板を掲げている歯科医院が、日本には多数あります。

個人的には、日本の開業医が誰でも参加出来る卒後セミナーや講習会に参加しただけで、あたかも卒業したかのように、学歴や経歴をホームページも盛るのも構わないと考えていました。以前のブログで見解を述べた通りです。

しかし、友人の歯周科レジデントに採用されるプロセス、現在のポジションを勝ち取るまでの道のり、そして今現在の奮闘ぶりを実際に聞き知ると、簡単に「南カリフォルニア大学歯学部○○修了、研究員など紛らわしい、経歴を盛るのはどうなんだろう、とやはり考えてしまいます。

同じく南カリフォルニア大学歯内療法科大学院レジデントのM先生も、開業していた医院を最終的には売却し、3人の子連れでの留学。そういうリスクを取った者が正しく評価される世の中であって欲しいものです。

アメリカはその点、良くも悪くも「超学歴社会」なので、大学や所属機関名、ロゴ等の使用基準が厳格ですが、日本では卒業の臨床教育も専門医教育も各大学によって内容やレベルが全く異なります。その点、専門医教育の必要性や、その価値は米国で専門医教育を受けた者が正しく伝えて行かならないと考えてます。

しかもアメリカかぶれではなく、良い点も悪い点も含めて客観的な視座にたった発言が求められるでしょう。